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RPRテストで陽性反応!? 〜ウサギさんの梅毒のお話〜

今回は、ある細菌が原因でおこる、ウサギさんの皮膚の病気についてのお話です!

みなさんは、RPRテストってご存知でしょうか!?(※PCRテストではありません

RPRテスト(Rapid Plasma Reagain test)は、ヒトの梅毒の抗体を調べるための検査です!その名の通り、短時間(Rapid)で血液中の抗体の陽性・陰性を調べることができる優れもの実はウサギさんにも、「ウサギ梅毒」と呼ばれる病気があり、抗体の検出はヒト用のRPRテストで可能です!

さて、ヒトとウサギ、同じ検査で調べられるとなると、お互いに病原体を感染させてしまうか、心配ですよねところが、ヒトの梅毒はTreponema pallidum(トレポネーマ・パリダム)ウサギ梅毒はTreponema paraluiscuniculi(トレポネーマ・パラルイスクニクリ)の感染が原因です。両者は同じトレポネーマ属の細菌ではあるものの、病原体が異なるため、ウサギさんの梅毒がヒトに感染することはありません

さっそくRPRテストの方法をみていきましょう!下の写真のような反応板の上で、ウサギさんの血清と抗原液を混和していくと…

もしもウサギさんが抗体を持っていたら、抗原と反応することで黒く凝集して見えます(下の写真)!このような結果となれば「陽性」と判定します

とても便利なRPRテストですが、注意点があります。それは、発症後時間が経ってから(5~6週)でないと陽性反応がみられない場合があることつまり、陰性反応だから梅毒ではない!と確定はできませんまた、すでに感染していて無症状の場合も…保菌しているウサギさんは、生活環境の変化など様々な要因で免疫力が低下すると、発症してしまう可能性があります!

では、ウサギ梅毒はどのようにウサギさんに感染するのでしょうか?

乾燥や温度変化に弱いウサギ梅毒の病原体は、生体外では長く生きることができません!そのため感染経路は「粘膜同士の接触」です
つまり、感染しているウサギさんの粘膜病変部に直接接触したり、交尾したりすることで病原体をもらってしまうのですまた、出産時には、母ウサギさんから子ウサギさんへの感染もおこります

下の写真はRPRテストで陽性反応が認められたウサギさんの唇の様子です。かさぶたができていて、皮膚が荒れている様子がわかりますね

さて、ウサギ梅毒の主な治療方法は2つあります1つ目は内服、2つ目は注射による治療法です💉

どちらの方法でも治療によって皮膚の状態はとっても良くなりますお薬の力で病原体を減らし、症状を緩和してくれますところが、病原体を完全に排除することは難しいのですそのため、症状が改善してすぐに治療をやめてしまうと、再発してしまうことが…だから、治療する期間も大切皮膚の症状がなくなってからも、しばらく治療を継続することで再発を予防します

先程のウサギさんに週1回の注射での治療を3回行った経過を一緒に見ていきましょう!

1回目の注射をして1週間後、まだカサカサが残っていますが、ずいぶんと皮膚がきれいになりましたこの日は2回目の注射でした

最後に、3回目の注射を終えて、1週間後の様子です!カサカサもなくなり、良好な状態になりました

 

ウサギ梅毒の症状は、皮膚と粘膜の境界部分にみられます。このウサギさんは、口唇のみに病変が認められましたが、外部生殖器や鼻、瞼にも病変がみられることがありますまた、皮膚の症状以外にも、くしゃみや鼻水などの症状が現れる子もいますさらに、最初は一部だけだった粘膜病変が、徐々に複数の部位にみられるようになることも…ウサギさんが自身の毛繕いによって、病変を他の場所に広げてしまうためですそうなってしまう前に、できるだけ早い段階で気がついて、治療してあげましょう!

もしもお家のウサギさんに気になる症状がみられたり、ご心配なことがあれば、ご相談ください