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ウサギとの暮らし方 〜食餌管理 お野菜・果物の成分編〜

以前のニュースにて、ウサギさんの牧草の成分表を取り上げましたウサギさんの健康のためには、イネ科の牧草がバッチリ!な検証結果でしたね!

さて、今回は、お野菜についても成分表を見ていきたいと思います!まず、お野菜はウサギさんにとってどんな役目をもっていたか、復習です!

牧草とは違って、絶対に必要なものではありませんが、お野菜をあげることで、ウサギさんにも、みなさんにも良いことがあります食欲がないときの栄養・水分補給のため、また、お薬を飲むことが負担にならないためにも、お野菜は一役買ってくれます普段から食べ慣れてもらって、お野菜だいすき!になってもらうのは良いことです💮また、ウサギさんの良質なおやつとして、絆を深めてくれます詳しくは先回のお野菜編おやつ編をご覧ください!

みなさんのウサギさんは、どのお野菜がお好みですか?いろんなお野菜があって、選んであげるのはとても楽しいですよね!今回は、ウサギさんにとって、気になる栄養成分の特徴をもったお野菜・果物を取り上げてみました!

※以下のグラフやデータは全て日本食品標準成分表2020年版(八訂)のデータを参考に作成させていただきました。

腸にウレシイ!食物繊維

ウサギさんにとって、とっても大切な食物繊維!ご飯を主食としている私たちからすると、お野菜は食物繊維たっぷりで、腸に嬉しいイメージですよね!繊維たっぷりの牧草を主食としているウサギさんにとっても、お野菜に繊維を補う役割を期待できるのでしょうか?そこで、食物繊維の含有量の多いお野菜、「しそ」の成分を見てみましょう!


いかがでしょう!食物繊維が多い「しそ」でも、ほとんど水分で占められていますしそ(100g中)の食物繊維量は、7.3g。一方、牧草(チモシー1番刈り乾草100g中)の繊維質の量が56gです。やはり圧倒的に牧草が高繊維!残念ですが、お野菜に食物繊維を補う役割は期待できないようです…

取りすぎ注意!のカルシウム

ウサギさんにとって注意が必要なミネラル、「カルシウム」。摂取しすぎが原因の病気を防ぐことは重要でしたね!そこで、カルシウムが多いお野菜について見てみます。カルシウムを最も多く含むお野菜は「パセリ」です。それでは、ウサギさんはパセリを食べてはいけないのでしょうか?栄養成分を見て確認してみましょう!


いかがでしょう?パセリはお野菜の中でカルシウム量が1位!とはいっても、他のお野菜同様、ほとんどが水分で、その占める割合は8割以上!肝心のカルシウムは、パセリ100gあたり290mg。これはウサギさんにとって高カルシウムなのか、低カルシウムのイネ科の牧草と比べてみましょう例えば、チモシー1番刈り乾草100gのカルシウム量は490mg!同じ重さで比べた場合、パセリよりもチモシーの方がカルシウムが多いようです。

ただ、他のお野菜に比べて圧倒的に高カルシウムであるのは事実カルシウムを控えている場合(例えば尿石症などのカルシウムの過剰が一因となる病気を持っているウサギさん)については特に、パセリばかり多量にあげるようなことは控えましょうまた、パセリの他に、しそ、コマツナ、チンゲン菜にもカルシウムが豊富に含まれています。それらの代わりに、色の薄い葉物野菜、例えばレタス、白菜、キャベツなどは比較的カルシウムの量が少ないので、おすすめしたいと思います

*ご紹介したお野菜100gあたりの各々のカルシウム量 しそ:230mg、コマツナ:170mg、チンゲン菜:100mg(カルシウムが豊富なお野菜)。レタス:19mg、白菜:43mg、キャベツ:43mg(カルシウムが少ないお野菜)。

 

みんなダイスキ!甘い糖質

最後に、「糖質」についてです!「糖質」は、エネルギーの源になるもので、甘い果物に多く含まれていますまた、穀類、豆類及びイモ類などのお野菜に多く含まれている「デンプン」も糖質です甘いものは、私たちと同じように、ウサギさんも大好き!糖質はとっても大事なエネルギー源なので、美味しく感じ、たくさん欲しくなってしまうのは当然のことしかし、エネルギーが余るほど食べ過ぎてしまうと、良くないことは、みなさんもお分かりですよね…その上、繊維質を主食としているウサギさんにとって、糖質の摂りすぎは、私たち以上に大問題!肥満の原因となることはもちろん、腸内環境の悪化を招いてしまうのですそこで、糖質が多いお野菜・果物の代表として、ウサギさんに大人気の「バナナ」の成分を見てみます!
他のお野菜同様、水分が最も多いのは嬉しいのですが、なんと糖質が21.1g!しそ、パセリと比べると、バナナの糖質量は10倍以上…お薬の投薬にも大助かりのバナナですが、やはり食べ過ぎ注意です

ちなみに、ドライのフルーツがお好みのウサギさんも多いかと思います入手しやすく、お手軽ですが、これも注意が必要です!乾燥させているということは、…「水分摂取」の役割はほとんど期待できません!「水分摂取」は、お野菜・果物をあげる、大きなメリットの1つでした。例として、バナナを乾燥させると、「生」と比べてどんな変化があるのか、チェックしておきましょう!

水分が生の約1/5に減ってしまう上に、糖質はなんと3倍以上も増えていますドライの野菜や果物は、生野菜の代わりにはなりません

糖質の多い果物・お野菜や、乾燥したものをあげるときのお約束として…

とびきりのご褒美として & 少しだけ

この2点を守っていただけると嬉しいです!(ちょっとだけのつもりでも、体重が増えている場合は、量を見直しましょう!)

お野菜の適正な量は、個人差がありますウサギさんのウンチの様子や、牧草の食べ具合に変化がないか、よくみて、お野菜の量を調節してあげましょう!お野菜の量が多すぎて、牧草の摂取が減ってしまうと、繊維質が不足してしまいます。そのため、軟便が出ている場合には、お野菜の量を減らし、主食の牧草を必要量食べられるようにしてあげましょう!

うちの子も、大好きなお野菜を毎日味わっています!もちろん、もりもり牧草を食べて、大きなウンチをたくさんしてくれていますそして、私も一緒に旬のお野菜を楽しんでおりますウサギさんとシャキシャキタイムを楽しむ毎日は、なんとも幸せみなさんも、ご一緒に、いかがでしょうか?