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タイプによって考える食餌管理ーPart2ー

みなさんお久しぶりです🐰

さて、前回の-part 1-では偏食なウサギさんの食餌管理とガツ食いウサギさんの食餌管理についてお話させていただきました。

今回は続編で太りやすい体質のウサギさんの食餌管理についてお話したいと思います😊

ですが食餌管理のお話をする前に、まずは肥満のリスクについて軽く触れたいと思います。

 

肥満のリスク

太りやすいって言ってもお家で暮らして生活に支障もないし、太ってても丸っこくて可愛いんじゃない?🤔

と思われている方もいらっしゃるはず。

確かにマルマルコロコロしている姿は可愛いですが、

・・・残念ながら生活への支障は大ありです😥💦

肥満は以下の様々な病気のリスクを一気に高めたり、悪化することがあります。

・心疾患(高血圧や動脈硬化)や呼吸器疾患

・靭帯・関節疾患

・皮膚疾患(お腹やお尻周りの毛づくろいが出来ず汚れ皮膚炎になる・足底潰瘍を起こす)

・下部尿路疾患(膀胱炎・結石)

・脂肪肝

・熱中症になりやすい

などなど・・・

私たち人間でも肥満は問題視されていますが、それはウサギさんも変わりありません。

さらに、手術が必要になった場合、肥満ウサギさんは麻酔のリスクや手術の難易度が上がります💦

とにかく肥満にいいことはありません🙅‍♀️ウサギさんの寿命を縮める原因になるでしょう。

肥満のリスクを踏まえて、適切な食餌管理をして肥満の予防をしてあげましょうね😀

 

太りやすいウサギさんの食餌管理

太りやすいウサギさんにはいくつかの原因があります。

①品種の特性

②食べすぎ(与えすぎ)

③避妊・去勢によるホルモンバランスの変化

④二次性肥満

などのいくつかの原因があります。

 

①品種の特性

ロップイヤー系統とレッキス系統が太りやすいと言われています。

しかし、だからといって成長期から食餌の量を減らすのはちょっとお待ちください✋

成長期は骨格など体の基礎をつくる大事な時期です。

生後4ヵ月までは1日分を体重の2.5~5%、生後6か月からは1.5~2.5%を目安にペレットを与えましょう。

成長期から維持期(1才~7才)に移行したら、1日分のペレットを体重の1.5%~2%で与えます。

そこで体重が増えるようであれば少しずつペレットの量を減らしていってください。

あくまでもこの数値は目安です。私たち人でも言えることですが、

まったく同じ量を食べていても体重が増える人・変わらない人・逆に痩せる人さまざまです。

それはウサギさんにも当てはまり、その子その子に適した食餌量があります。

適切な体重を維持できる食餌量を見つけてあげて下さい✨

ちなみに高齢ウサギさん(7才~)は1日分を体重の1~1.5%を目安でペレットを与えてあげると良いですよ😀

 

②食べすぎ(与えすぎ)

食欲旺盛でよく食べるウサギさんにはついつい色々与えたくなりますよね。

ところが与えている量が多かったり、高カロリーのものであれば当然太ってしまいます😫

まずは与えている量と『与えているもの』を見直してください。

与えている量が多い場合

ペレットを食べ放題にしていたり、1回に与えるペレットを量らず与えていませんか?

通常ペレットは成長期を終えたウサギさんであれば体重の1.5%~2%の量を1日2回~3回に分けて与えます。

う~ん・・・それはわかってるけど1回1回量るのがめんどくさい・・・😂

私もめんどくさがり屋な性格😑とても気持ちがわかります。

そういう方はまず適正量を1回量ってみて、そのペレットを紙コップ・空のプリンカップなどの容器に移します。

そしてペレットの入っているラインに印の線をつければ、あっという間に計量カップの出来上がり!🙌

次からはその印の線までペレットを入れれば、量らずとも簡単に適正量を与えることが出来ちゃいます✨

他にも与えているおやつの量はどうでしょうか?

特にご家族で飼われている場合にありがちですが、ご家族全員が「ちょっとだけなら・・・」でおやつを与えていると

結局食べている量としてはちょっとどころじゃ済まないことが多々あります💦

1日の決められたおやつ量をご家族で分けて与えるか、おやつ係を曜日当番制にしてもいいかもしれませんね✨

肥満予防にはご家族全員の協力が必要です😊

 

与えているものに原因がある場合

今与えているおやつに高カロリーなものはないですか?

高カロリーとして代表的なものは穀類(圧ぺん大麦やエン麦)です。

ウサギさんのおやつとして販売されている穀類は嗜好性が高く、与えると真っ先に食べる子も多いのではないでしょうか🤔

ところが、悲しいことに美味しいものは大抵高カロリー・・・😥

そう、穀類には炭水化物・タンパク質・脂質が多く含まれています💦

野生のウサギさんたちにとっては自然界でたまーーーに見つけることができる貴重な高栄養な食べ物。

与えすぎると太ってしまうだけでなく、お腹の調子も悪くなり軟便を繰り返すようになってしまいます。

与える場合は週1回にするなど工夫してあげましょうね。

過去におやつについてお話もしてますので、よかったらこちらをご覧ください。

今一度与えられているおやつを見直してみましょう🐰

 

 

③避妊・去勢手術によるホルモンバランスの変化

避妊・去勢手術後は性ホルモンに向けたエネルギーの消費がなくなるため、

手術前の食餌量を特に気にすることなく与えていると体重が一気に増加してしまうことがあります。

手術後まずはいつも通りの食餌量で構いませんので、定期的に体重を測定し、体重が増えていくようであればペレットの量を少しずつ減らして調節してあげましょう😊

 

④二次性肥満

二次性肥満とはホルモン異常など何らかの基礎疾患や薬剤の影響を受けて起きる肥満のことです。

①~③とは違い、二次性肥満は何らかの基礎疾患が絡んでいるので、まずは治療が優先になります。

このような病気の早期発見のため、ウサギさんも定期的に血液検査やレントゲン検査などを受けることをおススメします💡

当院ではうさドックというウサギさんの健診コースを用意していますよ✨

うさドックはお電話でもWEBからでもご予約可能です。

うさドックをWEBからご予約される場合は、通常の健診とうさドックとの識別のため来院理由に『うさドック① or ②』とご記入くださいますようお願いいたします。

 

愛するわが子には元気で長生きしてほしい。

そのために私たちができることはまずは正しい食餌管理をしてあげることだと思います。

可愛い顔でペレットやおやつを要求されるとついつい多くあげてしまいそうになりますが、

肥満のリスクを思い浮かべていただき、心を鬼にしてグッと堪えましょう。

でもいきなり全部おやつをなくしてしまうとうさぎさんも楽しみがなくなり拗ねてしまうので少しずつ減らしていきましょうね🥰

 

動物看護士🐰I